コンビニの今後の営業時間について考える【24時間営業短縮される!?】

2019年今年はコンビニの営業時間についてのニュースが他の年に比べると多かったと感じます。

というか主にこの営業時間の問題ですが、コンビニを叩くというかフォーカスしたニュースが多かったと感じます。

この記事ではコンビニで約10年勤務をし店長を勤めていた私の意見や考察も含めて、コンビニの今後の営業時間、時短営業についてご紹介していきます。日本の働き方やコンビニエンスチェーンの闇についても触れていきますので、ぜひ読者の方も一緒に考えていただけたら幸いです。

コンビニの24時間営業はなくなる?

コンビニの24時間営業はなくなる?

おそらくこのコンビニの営業時間の問題が世間に表面化する発端になったのは2018年のセブンイレブンで起きたご夫婦で経営をされている店舗での出来事ではないでしょうか。

発端はフランチャイズ本部の無理強い

積雪時にお客さんもスタッフも全く来ない(正確に言うと外出できな程の積雪で来れない)状態で経営者のオーナーさんが長時間労働をせざるを得なかった。

セブンイレブン本部に休業の申し入れをしたが断られたというセブンイレブン本部の対応がニュースになり世間からの非難を浴びました。詳しい内容はこちらをチェック

毎日新聞|福井豪雪 セブン50時間休めず

こういった営業時間などを全て含めた本部と加盟店の「契約内容」が足枷になり、いわゆる無理をしてきた加盟店というのはかなり多いのかと感じます。

こういった無理というのはコンビニだけではなく社会に出ていると誰しも経験があるかもしれませんが、やはり時代というか、これまでそういった無理も当たり前と捉える方が多かったのかもしれませんが、今の時代は。とかではなく、普通に考えて、冷静に考えるとやってはいけないことなんです。

コンビニ本部と日本の働き方について

なぜこんなことが起きてはいけない、こんなことが起きてもフランチャイズ本部は平気だったのかというのを考察してみると、これまでの日本の労働時間、いわば「働き方」というのがあげられると感じます。

日本は戦争の最終的な敗戦国で焼け野原になった後に「追いつけ、追い越せ」精神で高度経済成長を実現し、世界のトップクラスの仲間入りをしました。

とても素晴らしいことで、自分が日本人であることを誇らしく思えます。

しかし、その高度経済成長期にどのような働き方だったかということはわかりませんが、ちょっと無理をするくらいは当たり前みたいな風潮はあったのではないでしょうか。

やはりまだそういった風潮ではないですが、そういった考えをお持ちの方って少しいらっしゃるなと感じます。

そう言った”無理はして当たり前”みたいな最終的な根性論のようなものは現代には通用しない気もします。

だから「最近の若い奴はダメなんだ」なんていう方もいるかもしれません。確かに時にはそういった”根性”は非常に大事になります。私も少なからずですが、そういった考えはあります。

最後に粘れない、粘るべき場面で粘れないとやっぱり信頼関係にも響いてきますもんね。

これをコンビニエンスストアの営業時間、時短営業の問題に当てはめるとフランチャイズ本部は無理だとわかっていても契約もありますし”無理はしてください”という無理はするものだという考えが多少なりともあったんだと考えます。

時短を検討する最大の理由は「人手不足」

政府や企業の努めもありそんな日本の”働き方”というのが見直されてきている中での、このコンビニの24時間営業、営業時間の問題。その原因は大まかにいわゆる「人手不足」からきています。

単純に24時間お店を営業するのには早朝に出てこれるスタッフさん、朝の9:00頃出てこれるスタッフさん、お昼12:00頃出てこれるスタッフさん、夕方17:00頃から出てこれるスタッフさん、そして夜から朝方まで勤務可能な夜勤のスタッフさんと色々な時間で働けるスタッフさんにきてもらわなければ行けません。

オーナーや店長も勤務に入りますが、やはりスタッフさんなくしてお店は営業できません。成り立ちません。

人手不足解消のための広告費

そうしてその人手不足を解消するにはやはり人を採用し人材を確保しなければなりません。その人材確保のためには少なからず広告費を投じねばなりません。テレビCMなどでおなじみの某求人媒体のほとんどはそれなりの金額の商品パッケージになっています。

私が勤めていた3年ほど前は某求人媒体の一番安いプラン(フリーペーパーの一番枠の小さいプラン)でも1週間掲載で数万円の費用が掛かります。1ヶ月掲載をすれば数十万の費用、いわば経費を使わなければいけなくなります。

今は求人媒体の企業も価格競争により、昔に比べると商品パッケージの価格もリーズナブルになったと聞きますが、大体のお店がいまだにこの人材確保のための広告費に悩まれていると思います。

コンビニ各社に時短営業の許可が

コンビニ24時間営業問題 公取委が実態調査へ(19/09/25)

こういった今までコンビニ業界の抱えていた契約に含まれた営業時間について本部と加盟店が結ぶ「フランチャイズ契約」の見直しが表面化され、2019年今年公正取引委員会もその実態の調査を行い、さらにコンビニ各社の中でも主なセブンイレブン、ファミリーマート、ローソンは会見を行い加盟店の時短営業を実質認める形になりました。

加盟店にとって大きな一歩に

これはコンビニ加盟店にとってかなり大きな一歩となった形となります。私自身約10年間コンビニで働き、オーナーや店長、マネージャーという役職でも全くの自由がないと感じました。

自分の店なんだけど自分の店ではない。こういった感覚になります。それが真実なんでしょうが、あまりにも何をするにも本部、本部というかたちでした。

営業時間の問題以外にもコンビニ業界の抱えている闇

営業時間の問題とは異なりますが、自分の店で販売する商品の数量を本部の人間が勝手に発注を済ませるというようなこともあり、あまりにも販売するのが難しい数量の商品を発注することも多々ありました。

そうして販売ができず廃棄になった分は加盟店が費用を負担しますし、仕入れはもちろん加盟店がしています。いわゆるコンビニ会計と呼ばれるものです。

※コンビニ会計とは簡単に説明すると通常、商品を仕入れたことによって費用が掛かります。もしその商品が廃棄になってもただ捨てるだけですが、コンビニ会計の場合、廃棄品が出るとその廃棄品の仕入れ値分利益から引かれる仕組みです。

まだまだコンビニのフランチャイズ契約の闇はありますが、まずはこの時短営業が認められたということはものすごい一歩だと考えられます。(ましてやあのセブンイレブンが…)

今後のコンビニの営業時間について考える

こうしてセブンイレブン、ファミリーマート、ローソンと全国的に主要なコンビニ各社での時短営業の許可が出たことによって、今後24hの看板を掲げない24時間営業ではないコンビニがどんどん増えていきます。これは間違いなく増えていきます。

半分のコンビニが時短営業になっても・・・

消費者からすると深夜はやっていないと困るという方もいると思いますが、全店がそうなるわけではないので、深夜にやっているコンビニも全然あるはずです。

なんせ今のご時世コンビニが多すぎます。都心では50m間隔にコンビニがあるように感じられるくらい、歩いてすぐの距離にコンビニがあります。

現在コンビニの店舗数は約6万店と言われていますが、そのうちの半分が時短営業により深夜休業をするようになってもそんなに困らないと感じます。

人間学習する生き物だ

歩いて1km先にあったコンビニが深夜営業を辞めて、深夜にコンビニに行きたい場合はさらに1km先にしかコンビニがない。

こんな時は困ることもあるかもしれませんが、人間って学習する生き物です。例えば毎日仕事で帰りが0時過ぎになってしまって毎日帰ってきてから近くのコンビニに晩御飯を買いに行っていたとします。

その家の近くのコンビニが時短営業になってしまって0時~6時は休業になったとしても1週間もしないうちに別の手段を考えます。そしてそのスタイルに慣れれば、はじめは少ししんどいかもしれませんがなんともなくなってくるはずです(笑)

地域の防犯上はよくないことも

コンビニの深夜営業はお客さんにとって大変便利なものだったのですが、商品を買うだけではなく、コンビニの深夜には様々なドラマがあります。

近くに「毎日、深夜もやっているお店がある」というだけでなんか安心することってないでしょうか。もし何かあった時にそこに行けば誰だかはわかりませんが、「誰かしら」いるんです。

そういう意味でもコンビニの深夜営業はひとつの灯台ではないですが、もし何かあった時の駆け込み寺的な意味合いもありました。

深夜に営業するお店が減るとその分、その灯台が減ってしまうのは地域の防犯上よくないこともあります。

越してきたばかりの方などはその地域のコンビニがどこにあるが知っているが交番がどこにあるかわからないなんて方もいるかと思います。コンビニが深夜休業すればそれだけでいつもの道も暗く感じるかもしれません。交番の場所や”防犯”について今一度確認しておきましょう。

時間だけではない!年末年始などは終日休業も

この時短営業の営業時間問題は営業時間を短くするということだけでなく、例えば毎週日曜日を休業にしたり、年末年始の1月1日~2日は休業にするといった終日休業も可能になります。

お正月にコンビニがやっていなくても・・・

全ては本部と加盟店の話し合いの中で決まりますが、これも小売りに関わらず飲食業界などの他業界からも年末年始の休業の問題はあって、ここ3年くらい年末年始に休業するスーパーやレストランチェーンが増えてきたなと一消費者として感じます。

これも全ての店舗がそうなるとは限らないので、やっていなかったらやっていなかったで他のお店を探せばいいし、年が変わる前に食品やら日用品をまとめて買っておけば何とかなると私は思っています。人間、学習する生き物です(笑)

【結論】困ることはあるがはじめだけ

いかがでしたでしょうか。ここまでコンビニの営業時間についてご紹介してきました。24時間、365日営業していたのが当たり前だったコンビニ。そんな私たちの当たり前が当たり前ではなくなってしまう日もそう遠くないです。

もしかしたらその当たり前だと思っていたことも本当は当たり前でなくて異常なことだったのかな。なんて思える日が来るかもしれません。

近くのコンビニが時短営業になって行きたい時間に休業していても「なんだよー」「ふざけんなよー」と思わず「大変なんだな」とこの記事を読んで少しでも多くの方に思っていただきたいです。

自宅や最寄り駅近くのコンビニが時短営業になってはじめのうちは困ることもあるかと思います。何度も言いますが、人間は学習します。無いとわかっていれば行動しません。この近辺にはコインパーキングが無いとわかっている人は別のエリアを探します。この時間はやっていないとわかっていれば別の行動を起こします。

コンビニの商品紹介などしている身で言いづらい部分もありますが、家の近くのコンビニが時短営業したらラッキーかもしれません。コンビニが家の近くにあると何かとついつい買いに行ってしまうので時短営業になれば節約になるかもしれません(笑)

最後になりますが、2019年も残すところわずか、今後のコンビニ業界からまだまだ目が離せません。